一覧に戻る

自筆の遺言書と公正書の遺言書があると聞きましたが、違いを教えてください。

本人が自分で全て手書きした遺言書と本人が公証人役場に行って、証人2人以上の立ち合いのもと書かれた遺言書の違いです。

遺言書にはどんな種類があるのか?

遺言書には、大きく分けて3つの遺言書があります。自筆の遺言書と公正書の遺言書の他に秘密証書遺言というものがあります。それぞれのメリットデメリットについてご紹介します。

自筆証書遺言

遺言者ご本人が全文を自筆で書く遺言書です。自分で書いたからといって、パソコンや携帯電話に記載しても認められません。
必ず手書きで全文を記載する必要があります。

自筆証書遺言のメリット

  • 費用が掛かからず手軽に作成できる。
  • 自分一人で書くことができるため、遺言内容の秘密が確保できる。
  • 遺言書を作成したこと自体を秘密にできる。

自筆証書遺言のデメリット

  • 遺言者にとっては遺言内容の実現が不確実 (遺言書の存在が知られないままになったり、見つかった場合でも破棄される可能性がある)。
  • 遺族は家庭裁判所の検認が必要になる。
  • 検認を経ないまま遺言を執行してしまうと、5万円以下の過料に処せられる。

公正証書遺言

遺言者ご本人が公証人役場に行き、証人2人以上の立会いのもと遺言書の内容を話し、公証人が書面を作成します。内容の不備や遺言が無効になる恐れがありません。
原本は、公証役場で原則20年(通常は遺言者ご本人が死亡するまで)保管されます。
遺言書の所在が分からなくなることはありません。

公正証書遺言のメリット

  • 開封時に家庭裁判所の検認の必要がない。
  • 遺産分割協議が不要 ・公証人役場に原本が保管されているため、正本、謄本を紛失しても、 再発行請求ができる。
  • あらかじめ公証人により違法や無効がないことが確認されているため、 無効になることがない。

公正証書遺言のデメリット

  • 公証人手数料がかかる。
  • 遺言書の内容を公証人と2人の証人にも一時的に公開しなくてはいけない。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、公正証書遺言と同じで公証役場で作成しますが、 遺言書の内容を密封して、証人も内容を確認できな遺言書です。

秘密証書遺言のメリット

  • 遺言書の内容を秘密にできる。
  • 偽造される心配がない。
  • 字を書けない人でも作成できる。
    ※署名が遺言者ご本人のものであれば、遺言の内容をパソコンなどで作成することも可能で代筆でも大丈夫です。

秘密証書遺言のデメリット

  • 検認を経ないまま遺言を執行してしまうと、5万円以下の過料に処せられる。
  • 遺言書を遺したことについては、公証人と2人の証人に知られてしまう。
  • 遺言書の内容によっては、専門家の確認を経ていないので無効になったり、相続人間でトラブルになる可能性がある。
  • 費用が掛かる。
  • 遺言書の開封時に、遺族は家庭裁判所の検認が必要になる。

まとめ

遺言書を作成する場合は、上記のメリット・デメリットを知った上で作成方法を決められることをおすすめ致します。
遺言書の内容を作成時に自分以外の人に知られたくないのであれば、自筆証書遺言か秘密証書遺言でプライバシーを守りながら作成可能です。
遺言書が見つかった後の遺族の手間を省きたいと思うのであれば、裁判所の検認が必要とされない公正証書遺言で遺言を遺されると、相続などの手続きがスムーズです。

 

そのほかの「よくある質問」はこちら